お話のちょこ見せ 書いてる途中のお話をちょこ見せです。 そっとおりたたんでます。ゾウさん病のお話の続きのような何かです。 本編はR18になる予定です。 続きを読む ~ゾウさん病のお話のその後・一部ちょこ見せです~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「俺はショウのこと、手ごめにしてしまったガオ……!」 御富良院は、「流れ変わったな」という顔になった。 「おこめ?」 小学四年生のワタルは、マイガーの言う「手ごめ」の意味がわからない。 ショウさんをお米にするってこと? もしかして、一度バラバラになって壊れたショウさんの体をくっつけるときに、ノリのかわりにお米粒を使ったのかも。それでは、ブロックでできたショウさんの体は、接着力が足りなくて、まだもろいままなんじゃないか。心配だ。 ワタルは「帰れま7」でスッサーが仰々しく創りだした、肌水分チェッカーを思い出す。 神だったころの記憶を取り戻して、忘れていた力の使い方を思い出し、完全復活したスッサーが創った神アイテム。市販品と遜色のない、税込一九八〇円クオリティ。 ワタルが見た感じ、スッサーは七柱の神々のなかでも、あんまり手先が器用ではない感じ。 今こうして苦しそうな顔をしているのは、相方のショウさんの体をうまく直してやれなくて、自分を責めているのではないか。 「ワタル、お米じゃなくて、手ごめだ。たしか、じーちゃんが見てた時代劇で、悪代官が町娘の帯をこう、クルクルーっとほどいていくやつだったと思う」 「カケルは物知りだね。たしか、「あーれー」ってなるやつ?」 「ああ……」 賢いカケルがワタルの勘違いを指摘して、ふたりのよい子はショウを見る。 首に巻いたトレードマークの空色マフラーの、なんと「クルクル」で「あーれー」しやすそうなことか! 「なるほど。スッサー、気持ちわかるよ。ショウさん見てたら、誰だってお米にしたくなっちゃうよね」 「えっ。ワタル、いたんガオ!? カケルまで……いや、すまんガオ。子どもに聞かせる話じゃなかった……というか、小学四年生が気持ちわかっちゃダメガー!?」 ワタルはマイガーの話を聞いているのかいないのか、よく言えば天真爛漫な、悪く言えば何を考えているのかいまいちわからない、くもりなき笑顔を浮かべて、ショウのマフラーの先っぽをにぎった。そのまま突然、駆け出す。グーッと引っ張る。全力だ。 体格差はあれど、小学四年生の元気男児パワーである。ショウはマフラーで首が絞まって、グエー死んだンゴとうめき声が出た。 「こ、こらワタル、いきなり何をするっショ!」 「スッサーは、ショウさんをお米にしたことで悩んでる。なら、オレたちもショウさんをお米にしようよ!」 「しょ~~っ!? オ、オレをお米に?」 ショウは青くなる。ワタルは、神と同じくブロックでモノを創ることができる救世主だ。 ラスボスをぶっ飛ばした奇跡のパワーでもって、ブロックでできた自分の体を、マジでお米にされてしまうかもしれない。 ワタルがいい子なのはわかるけど、カケルと違って思考回路が突拍子なくて意味不明。エンジョーダ社で作戦立案を任されてきたショウですら、この子が何をしでかすかわかんないところがある。 さぞ親御さんは大変だろうな、ショ、と、ショウはワタルママにすこし同情した。 「ショウさんをお米にして、そんでみんないっしょに、ショウさんに叱られよう。お米にしてごめんって謝れば、許してくれるよ。ねっ、ショウさん」 「ああ、そうだな。マイガーが悩んでいるなら、俺たちも一肌脱ごう。ショウ、すまない!」 ワタルとカケルが空色のマフラーの端をつかんで、ショウの周りをグルグルとまわりはじめた。 「おっこっめ! おっこっめ!」 「しょ、わわわ、しょ~~っ!」 「がんばれショウ、これもおまえとマイガーのためなんだ!」 「カケルとワタルが、オレたちのために……! そういうことなら、わかったっしょ。オレ、なるっしょ。完璧に粒ぞろいで完璧にツヤツヤの、立派なお米になるでショ~~ウ!!」 「その意気だよ、ショウさん!」 「いいぞ、ショウ!」 ドタバタと走りまわる子どもたち。マフラーを帯みたいに引っ張られて、あーれーと回転し続けるショウ。それを少し離れて眺める、マイガーと御富良院。 「どうなんですか、実際」 「いやあ、どうなんだろう……」 マイガーと御富良院は、遊園地でママと子どもたちが乗り物に乗って楽しそうにしている姿を、手すりにもたれて手持無沙汰に眺めているお父さん同士みたいに、微妙な疎外感を共有していた。 きれいな目をして、下劣な週刊誌を愛読する御富良院は、ことの真相が気になってしょうがない。 子どもの前だから、これ以上の追求はできないけれど、手ごめってアンタ。以心伝心ズッ友100%みたいな顔しておいて。 「そろそろいいんじゃないか」 「ショウさん、どう? お米になった?」 良い汗をかいたワタルとカケルが、三半規管グラグラになっているショウの頬を、左右からつんつんとつつく。 「しょっ」 「ショウのほっぺたがもちもちだ。これはお米になりすぎて、おもちになってしまったかもしれない」 「しょお!? お米のレベルを通り越してしまったでショウ? オレが完璧にお米になってしまったばかりに、カケルもワタルもすまないっショ……。でも、ふたりの心意気を、無駄にはしたくないでショウ。マイガー! ごめんでショ、オレ、おもちになっちゃったでショウ! お米じゃないけど、大丈夫でショウ!?」 「えっ」 「大丈夫だよね! スッサー、おもちもおいしいじゃん」 「ぜんざいとか、甘くておいしいぞ」 澄んだ目をした三人に、急に話を振られたマイガーは、操られるように頷く。 「あ、はい」 「いえーい! おもち! おもち!」 「よかったな、ショウ!」 「ありがとう……! カケル、ワタル、ふたりとも、本当にありがとうでショーウ!」 ショウとカケルとワタルが三人で円陣を組んで、にぎやかな歓声を上げる。 「おもち! おもち! かがみもち、みゃ」 三本の稲穂みたいな触角が生えたショウの頭のてっぺんに、みかんがひとつ、ポンと音を立てて出現した。 マロがどこからともなく現れて、ショウの肩に飛び乗ってくる。 「マロロン!」 「マイガーの姉ちゃんっショ」 マロロン大好きカケルが、顔も体も軟体生物みたいにデレデレのドロドロに溶けていく。ふだんのキリッとしたイケメン少年が、見るも無残な有様だ。 ショウは何度見ても「おぅふ」なカケルに慣れない。「うわあ~……」というドン引き顔になってしまう。 「ショウ、頭のそのみかん、食べないなら、もらってもいいか? ぜひ。どうか。何卒」 「今ここで食べるでしょ。持って帰るのはダメでしょ。カケルはマロにもらった食べ物を大事に飾って、カビさせちゃうかもでしょ」 「ショウさんも、カケルのことがわかってきたねえ」 「カケルはほんとに、マイガーの姉ちゃんのことが好きでショウねぇ」 ショウの頭に乗っかったみかんは、もぎってももぎっても、次から次へと生えてくる。 どうなってるっショ、これ。 「このみかん、どっから出てきてるんしょ?」 「マロのみかんを食べたい気持ちからみゃ」 「さすがマロロン、無からみかんを生み出すなど造作もないこと。これは南紀みかん。伊勢神宮のある三重県の特産品ですね。南紀みかんには二種類あって、秋みかんは温州みかん、春みかんは温州みかんとマンダリンをかけあわせたカラ、こちらはみかんというよりも味はオレンジに近い甘さとさわやかさ。甘くておいしい……です……!」 「よかったな、カケル。ショウさん、オレももらっていい? みかん」 「あ、ワタルもどうぞどうぞ。でしょ」 「先生、スッサー、みかん食べよ、みかん」 ワタルに声をかけられて、マイガーと御富良院がようやく動き出す。 「う、うむ。あー、アホアホ様。じゃなくて、スサノオ様。みかんですって」 「あ、ああ、うん。いや、えっ、どんな間違え方?」 にぎやかにしているうちに、どこからともなく、耳になじんだメロディが流れはじめた。 公園とか、スーパーとかで、五時になったら流れるいつものやつである。 「マロんちでも流れるんだ、この音楽。あー、もうこんな時間か。帰らなきゃ」 「「蛍の光」だ。元はスコットランドの民謡だ」 「へー」 「ワタルにカケル、家まで送っていこう」 「先生、心配性だよ、すぐそこだよ」 「それが某の役目なのでな」 「マロも送っていくみゃー!」 人間界につながる道を通って、家路につく子どもたちの背中を、ショウとマイガーは笑顔で手を振って見送った。 「カケル、ワタル、また来るっしょー!」 「ガオー!」 にぎやかだったカケルとワタルが帰ったとたんに、宙部大社から音が消える。静かだ。 次にあの子たちが遊びに来てくれるのは、いつになるだろう。ショウはすでに待ち遠しくて、人間界の休日までの日にちを指折り数える。 「ショウ、大事な話がある」 マイガーが、まじめな顔をして、ショウに向かって切り出した。 「しょ? あ、そうだ、お米の話だったでショウ?」 「ああ。いやお米ではなく」 「あ、おもちだったでショウ。オレのほっぺ、おもちになったでショウ、さわるっショ?」 「おもちでもなくてだな。あっ、ほっぺは気になるガー、触ってみてもいいガオ?」 「マイガーなら、いいでショウ、いっぱい触らせてやるでショ~ウ!」 ショウのほっぺたを、ワタルとカケルがそうしていたように、左右からふにふにと触る。 あまりにも白くて、やわっこくてもちもちだ。マイガーは思わず口元を綻ばせる。 「ショウのほっぺ、ふわふわガーオ、ほんとにおもちみたいガオ~」 「しょ~~! カケルとワタルのおかげでショウ!」 「オーマイガーオ!」 「しょ~~っ!」 楽しくなってきて、ショウとマイガーは顔を見合わせて笑いあう。 数分ののち。 「いや、じゃなくて!」 マイガーが叫んだ。 (つづく) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 畳む #ちょこ見せ 2026.1.4(Sun) 02:22:59
書いてる途中のお話をちょこ見せです。
そっとおりたたんでます。ゾウさん病のお話の続きのような何かです。
本編はR18になる予定です。
~ゾウさん病のお話のその後・一部ちょこ見せです~
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「俺はショウのこと、手ごめにしてしまったガオ……!」
御富良院は、「流れ変わったな」という顔になった。
「おこめ?」
小学四年生のワタルは、マイガーの言う「手ごめ」の意味がわからない。
ショウさんをお米にするってこと?
もしかして、一度バラバラになって壊れたショウさんの体をくっつけるときに、ノリのかわりにお米粒を使ったのかも。それでは、ブロックでできたショウさんの体は、接着力が足りなくて、まだもろいままなんじゃないか。心配だ。
ワタルは「帰れま7」でスッサーが仰々しく創りだした、肌水分チェッカーを思い出す。
神だったころの記憶を取り戻して、忘れていた力の使い方を思い出し、完全復活したスッサーが創った神アイテム。市販品と遜色のない、税込一九八〇円クオリティ。
ワタルが見た感じ、スッサーは七柱の神々のなかでも、あんまり手先が器用ではない感じ。
今こうして苦しそうな顔をしているのは、相方のショウさんの体をうまく直してやれなくて、自分を責めているのではないか。
「ワタル、お米じゃなくて、手ごめだ。たしか、じーちゃんが見てた時代劇で、悪代官が町娘の帯をこう、クルクルーっとほどいていくやつだったと思う」
「カケルは物知りだね。たしか、「あーれー」ってなるやつ?」
「ああ……」
賢いカケルがワタルの勘違いを指摘して、ふたりのよい子はショウを見る。
首に巻いたトレードマークの空色マフラーの、なんと「クルクル」で「あーれー」しやすそうなことか!
「なるほど。スッサー、気持ちわかるよ。ショウさん見てたら、誰だってお米にしたくなっちゃうよね」
「えっ。ワタル、いたんガオ!? カケルまで……いや、すまんガオ。子どもに聞かせる話じゃなかった……というか、小学四年生が気持ちわかっちゃダメガー!?」
ワタルはマイガーの話を聞いているのかいないのか、よく言えば天真爛漫な、悪く言えば何を考えているのかいまいちわからない、くもりなき笑顔を浮かべて、ショウのマフラーの先っぽをにぎった。そのまま突然、駆け出す。グーッと引っ張る。全力だ。
体格差はあれど、小学四年生の元気男児パワーである。ショウはマフラーで首が絞まって、グエー死んだンゴとうめき声が出た。
「こ、こらワタル、いきなり何をするっショ!」
「スッサーは、ショウさんをお米にしたことで悩んでる。なら、オレたちもショウさんをお米にしようよ!」
「しょ~~っ!? オ、オレをお米に?」
ショウは青くなる。ワタルは、神と同じくブロックでモノを創ることができる救世主だ。
ラスボスをぶっ飛ばした奇跡のパワーでもって、ブロックでできた自分の体を、マジでお米にされてしまうかもしれない。
ワタルがいい子なのはわかるけど、カケルと違って思考回路が突拍子なくて意味不明。エンジョーダ社で作戦立案を任されてきたショウですら、この子が何をしでかすかわかんないところがある。
さぞ親御さんは大変だろうな、ショ、と、ショウはワタルママにすこし同情した。
「ショウさんをお米にして、そんでみんないっしょに、ショウさんに叱られよう。お米にしてごめんって謝れば、許してくれるよ。ねっ、ショウさん」
「ああ、そうだな。マイガーが悩んでいるなら、俺たちも一肌脱ごう。ショウ、すまない!」
ワタルとカケルが空色のマフラーの端をつかんで、ショウの周りをグルグルとまわりはじめた。
「おっこっめ! おっこっめ!」
「しょ、わわわ、しょ~~っ!」
「がんばれショウ、これもおまえとマイガーのためなんだ!」
「カケルとワタルが、オレたちのために……! そういうことなら、わかったっしょ。オレ、なるっしょ。完璧に粒ぞろいで完璧にツヤツヤの、立派なお米になるでショ~~ウ!!」
「その意気だよ、ショウさん!」
「いいぞ、ショウ!」
ドタバタと走りまわる子どもたち。マフラーを帯みたいに引っ張られて、あーれーと回転し続けるショウ。それを少し離れて眺める、マイガーと御富良院。
「どうなんですか、実際」
「いやあ、どうなんだろう……」
マイガーと御富良院は、遊園地でママと子どもたちが乗り物に乗って楽しそうにしている姿を、手すりにもたれて手持無沙汰に眺めているお父さん同士みたいに、微妙な疎外感を共有していた。
きれいな目をして、下劣な週刊誌を愛読する御富良院は、ことの真相が気になってしょうがない。
子どもの前だから、これ以上の追求はできないけれど、手ごめってアンタ。以心伝心ズッ友100%みたいな顔しておいて。
「そろそろいいんじゃないか」
「ショウさん、どう? お米になった?」
良い汗をかいたワタルとカケルが、三半規管グラグラになっているショウの頬を、左右からつんつんとつつく。
「しょっ」
「ショウのほっぺたがもちもちだ。これはお米になりすぎて、おもちになってしまったかもしれない」
「しょお!? お米のレベルを通り越してしまったでショウ? オレが完璧にお米になってしまったばかりに、カケルもワタルもすまないっショ……。でも、ふたりの心意気を、無駄にはしたくないでショウ。マイガー! ごめんでショ、オレ、おもちになっちゃったでショウ! お米じゃないけど、大丈夫でショウ!?」
「えっ」
「大丈夫だよね! スッサー、おもちもおいしいじゃん」
「ぜんざいとか、甘くておいしいぞ」
澄んだ目をした三人に、急に話を振られたマイガーは、操られるように頷く。
「あ、はい」
「いえーい! おもち! おもち!」
「よかったな、ショウ!」
「ありがとう……! カケル、ワタル、ふたりとも、本当にありがとうでショーウ!」
ショウとカケルとワタルが三人で円陣を組んで、にぎやかな歓声を上げる。
「おもち! おもち! かがみもち、みゃ」
三本の稲穂みたいな触角が生えたショウの頭のてっぺんに、みかんがひとつ、ポンと音を立てて出現した。
マロがどこからともなく現れて、ショウの肩に飛び乗ってくる。
「マロロン!」
「マイガーの姉ちゃんっショ」
マロロン大好きカケルが、顔も体も軟体生物みたいにデレデレのドロドロに溶けていく。ふだんのキリッとしたイケメン少年が、見るも無残な有様だ。
ショウは何度見ても「おぅふ」なカケルに慣れない。「うわあ~……」というドン引き顔になってしまう。
「ショウ、頭のそのみかん、食べないなら、もらってもいいか? ぜひ。どうか。何卒」
「今ここで食べるでしょ。持って帰るのはダメでしょ。カケルはマロにもらった食べ物を大事に飾って、カビさせちゃうかもでしょ」
「ショウさんも、カケルのことがわかってきたねえ」
「カケルはほんとに、マイガーの姉ちゃんのことが好きでショウねぇ」
ショウの頭に乗っかったみかんは、もぎってももぎっても、次から次へと生えてくる。
どうなってるっショ、これ。
「このみかん、どっから出てきてるんしょ?」
「マロのみかんを食べたい気持ちからみゃ」
「さすがマロロン、無からみかんを生み出すなど造作もないこと。これは南紀みかん。伊勢神宮のある三重県の特産品ですね。南紀みかんには二種類あって、秋みかんは温州みかん、春みかんは温州みかんとマンダリンをかけあわせたカラ、こちらはみかんというよりも味はオレンジに近い甘さとさわやかさ。甘くておいしい……です……!」
「よかったな、カケル。ショウさん、オレももらっていい? みかん」
「あ、ワタルもどうぞどうぞ。でしょ」
「先生、スッサー、みかん食べよ、みかん」
ワタルに声をかけられて、マイガーと御富良院がようやく動き出す。
「う、うむ。あー、アホアホ様。じゃなくて、スサノオ様。みかんですって」
「あ、ああ、うん。いや、えっ、どんな間違え方?」
にぎやかにしているうちに、どこからともなく、耳になじんだメロディが流れはじめた。
公園とか、スーパーとかで、五時になったら流れるいつものやつである。
「マロんちでも流れるんだ、この音楽。あー、もうこんな時間か。帰らなきゃ」
「「蛍の光」だ。元はスコットランドの民謡だ」
「へー」
「ワタルにカケル、家まで送っていこう」
「先生、心配性だよ、すぐそこだよ」
「それが某の役目なのでな」
「マロも送っていくみゃー!」
人間界につながる道を通って、家路につく子どもたちの背中を、ショウとマイガーは笑顔で手を振って見送った。
「カケル、ワタル、また来るっしょー!」
「ガオー!」
にぎやかだったカケルとワタルが帰ったとたんに、宙部大社から音が消える。静かだ。
次にあの子たちが遊びに来てくれるのは、いつになるだろう。ショウはすでに待ち遠しくて、人間界の休日までの日にちを指折り数える。
「ショウ、大事な話がある」
マイガーが、まじめな顔をして、ショウに向かって切り出した。
「しょ? あ、そうだ、お米の話だったでショウ?」
「ああ。いやお米ではなく」
「あ、おもちだったでショウ。オレのほっぺ、おもちになったでショウ、さわるっショ?」
「おもちでもなくてだな。あっ、ほっぺは気になるガー、触ってみてもいいガオ?」
「マイガーなら、いいでショウ、いっぱい触らせてやるでショ~ウ!」
ショウのほっぺたを、ワタルとカケルがそうしていたように、左右からふにふにと触る。
あまりにも白くて、やわっこくてもちもちだ。マイガーは思わず口元を綻ばせる。
「ショウのほっぺ、ふわふわガーオ、ほんとにおもちみたいガオ~」
「しょ~~! カケルとワタルのおかげでショウ!」
「オーマイガーオ!」
「しょ~~っ!」
楽しくなってきて、ショウとマイガーは顔を見合わせて笑いあう。
数分ののち。
「いや、じゃなくて!」
マイガーが叫んだ。
(つづく)
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